Haruka Furusaka | ふるさかはるか

空中山荘24節気_立冬

  • 11.07.2022

もう立冬だ。藍畑は春の種まきから苗づくりに始まり、夏の藍の絵の具づくり、秋の種の採集まで一通り終わり、畑は更地になった。今年は取材で飛び回り、展覧会のために毎日遅くまで制作しては朝早くに藍や植物の面倒を見て、よく働いた。北軽井沢では冬の湿度が低すぎて木版画が刷れなかったり、春に霜で苗が全滅したりと色々あったけれど、絵の具は例年よりもうまくできて、関わってくれた皆さんのおかげで報われた。

その成果というか、作品とその制作途上にある素材を今度の個展で展示する。ひとつの絵が完成する瞬間というのはあるけれど、作品を「作る」ということに終わりはない。私や取材させていただいた手仕事の人、制作に関わる人の手振りから、手を働かせて「作る」ことが垣間見える展覧会にできればいい。