Haruka Furusaka | ふるさかはるか

空中山荘 24節気_冬至

  • 12.22.2021

 

【冬至】はたと年の瀬に気づき、忙しなさと完璧はありえないことを天秤にかけ始めるのが冬至の頃。やっておきたかったことのいくつかを来年に持ち越すと早々に受け入れて、夜な夜な編み物を編み出すのもこの頃。

今週は開催中のグループ展で、ゆっくり在廊することができた。新しくできた堀川新文化ビルジングのギャラリーは、1階の本屋の客がふらりと見物に上がってくる。何の目的もなく展覧会に踏み込んだ人の過ごし方は見ていて面白い。のんびりした場所柄か作品をゆっくり見る人が多く、理解しようとする人、首を傾げる人、じっと見てから目をそらす人、情報を得ようとする人、ふわふわと見ることを楽しむ人、さまざま。

幼い頃、ときどき叔父がバレエを観に連れ出してくれては「観客も踊り手と一緒にその場の空気を作っているんだ」と教えてくれた。程度の差はあれ展覧会にも、見る人と発信する側の相互作用がある。作家と作品と見る人とがフラットな関係でいられる場所はいいと思う。そもそも、この展覧会の元となった、ポストへ作品を届けるm@pプロジェクト “meet at post”にも、そういうフラットな関係を作り出す意図がある。見る人が作品に関わろうとするから成り立つプロジェクトだ。年4回どんな作品が届くかわからないけど、関わってみようとしてくれた皆さんがいて、できあがった作品もある。

写真はm@pプロジェクトで制作した木版画シリーズ「ソマの舟」vol.1の4作品。一つの版木(木片)を割って4つの作品を作った。ただいまvol.2のご注文を受付中。1年間4つの作品を楽しんでもらえたらと、ご注文を心待ちにしています。

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| 空中山荘24節気では、節気ごとのアトリエの出来事を書きつづります。|