Haruka Furusaka | ふるさかはるか

ことづての声/ソマの舟 | The Voice of Lore / Soma’s Boat / Cyg art gallery

  • Exhibition
  • 2025

個展〈ことづての声/ソマの舟〉
2025年6月7日(土)─6月29日(日)
Cyg art gallery(岩手県盛岡市)
アーカイヴ:https://cyg-morioka.com/archives/4135

 

冬の厳しい北国で、山と直接関わる手仕事の人びとは、動植物からどんなサインを読み取り、どう自然とやりとりするのか。

青森県大鰐町、田子町、岩手県浄法寺町にまたがる山間地域で、こんな問いを抱きながら山の動植物のいのちと直接関わる手仕事の人びと〈マダギ〉〈木地師〉〈漆掻き〉〈野鍛治〉を6年間取材してきました。自然との関わりが薄くなった消費社会の中でルーツや生気を消した素材を用いるのではなく、山からの視点で生きた自然と「ともにつくる」ことを捉え直してみたいと考え、取材の記録と考察をまとめた初めての作品集『ことづての声/ソマの舟』を制作しました。

〈ソマ〉とは「きこり」を指すことばですが、季節に応じた山の百姓のような暮らしを「ソマの暮らし」と言い表すのを取材地で耳にしました。取材させていただいた手仕事の人びとは、生きた木や動物、気候に合わせて行動し、「人間の都合でやらない」といいます。例えば、漆の木から樹液を採集するのに、樹皮に傷をつけ、樹液の分泌を促すことを、〈漆掻き〉は「木をつくる」といい、漆の木と協力して樹液を生み出します。自然のいのちを読み取り生かす手仕事や「ソマの暮らし」は、ままならない自然環境に沿って生きる術を私たちに伝えてくれます。

そうした術を自身の制作の営みに取り入れ、自然と人と呼応することを試みました。ドローイングシリーズ「ことづての声」では、取材したことばを反芻するために描き、木版画シリーズ「ソマの舟」では、取材から考察したこと、得た素材を用いて描きました。自然素材と呼応してそのいのちを生かす木版画を、私は「自然と関わる手段」と捉えています。

本展では、作品集の原画となった木版画・ドローイング・ピンホール写真に新作を加え、私が日頃接している自然素材とともに展示します。自ら栽培・採集した藍と土、取材地・青森で分けてもらった漆を用い、取材した人びとと同じく自然と「ともにつくる」営みから生まれた作品をご覧ください。

 

【関連イベント】

〈鎚の音〉 上映会・トーク

作品集「ことづての声/ソマの舟」に登場する、最後の「野鍛冶」のひとり中畑文利氏の仕事や人物を捉えたドキュメンタリー作品『鎚の音』(監督:松井至)を初上映。ふるさかはるかと本作品制作の編集者・丹治史彦(信陽堂)によるトークセッションも。
(野鍛冶…農家や漆掻きの道具を作る職人)

日時:2025年6月13日(金) 18:30開場/19:00開演 20:30終了予定
場所:盛岡という星で BASE STATION(Cyg 隣)
料金:1500円
※先着40名(予約優先)