Haruka Furusaka | ふるさかはるか

企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」

  • 07.15.2024

自然に深く関わり制作をつづける現代作家5人の展覧会に参加します。私は10年前に取り組んだサーミの木版画シリーズ「トナカイ山のドゥオッジ」と、青森を中心に山の手仕事を取材したドローイングシリーズ「ことづての声」・木版画シリーズ「ソマの舟」を出品します。

企画展「大地に耳をすます 気配と手ざわり」
会期:2024年7月20日(土)〜10月9日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリー A・B・C
参加作家: 榎本裕一、川村喜一、倉科光子、ふるさかはるか、ミロコマチコ

展覧会公式サイト

 

今回の展覧会に向けて昨年12月から青森に滞在し、漆の木版画を制作しました。漆林で版木にする木をマタギで木地師の山中泰彦さんに伐採してもらい、津軽塗の塗師・今年人さんが掻いた漆を分けていただきました。取材でソマ(木こり)の漆塗りの笛との出会い、「漆は血の一滴」という漆掻きさんの木とのやり取りを耳にし、縁あって手にすることのできた漆の木と私は木版画でどんなやりとりができるだろうと試みました。15枚組の大作となったこの作品ができるまで、試作を含めて100枚は刷り、微妙な湿気によって色が揺らぐ漆は生きた塗料だということを実感しました。


制作中の漆木版画。伐採した木の木目と採集した漆(樹液)そのものの色を生かすように表現を削ぎ落とした。

また本展に向けて、昨年夏から藍の栽培や土の採集、漆林で木を伐採するところから木版画ができていく過程を映像に記録していただきました。出品作家でもある川村喜一さんに撮っていただいた記録映像は会場でご覧いただけるほか、展覧会ウェブサイトで公開される予定です。ご来場いただけない方も川村さんの目を通した「自然と共に作る」営みをご覧いただけたらと思います。


2023年12月、青森県大鰐町の漆林で河村喜一さんが伐採を撮影してくださった。切ってくださったのはマタギで木地師の山中泰彦さん。山中さんのインタビューは作品集『ことづての声・ソマの舟』に記録した。

会期中にはアーティストトークや親子向けワークショップもあり、ミュージアムショップで作品集『ことづての声/ソマの舟』や木版画も販売します。展覧会に合わせてご利用ください。

【アーティストトーク】
漆木版画の制作のこと、藍や土の素材を通して自然と「ともに作る」ことについてお話しします。
日時:8月24日(土)10:30-12:00
場所:東京都美術館 アートスタディルーム
聞き手:大橋菜都子(東京都美術館学芸員)
事前申込制 聴講無料

【ワークショップ】
東京藝術大学構内の森からいただいた楠の木片と土を使って木版画を作ります。

あいうえのmeet 大地とつくる 東京都美術館×東京藝術大学
日時:8月22日(木) 10:30〜15:30
場所:東京都美術館、東京藝術大学
対象:小学4年生〜中学3年生(9〜15歳)のこどもとその保護者
申込期間:〜07/15(月祝)
https://museum-start.jp/program/family/iuenomeet